日本スラヴ学研究会研究発表会・講演会のお知らせ
日本スラヴ学研究会2022年度研究発表会・講演会
日時:2023 年 3 月 30 日(木)14:00–18:10(オンライン開催)
参加方法:当日 3/30 に QR コード(添付のチラシまたはHP参照)または URL より参加
*事前登録制ではありません
https://sophia-ac-jp.zoom.us/j/91560688786
ミーティングID: 915 6068 8786
パスコード: 732268
主催:日本スラヴ学研究会
問合せ:日本スラヴ学研究会事務局 越野剛 slav [at] jsssll.org
HPリンク:
【プログラム】
14:00–14:10 開会のあいさつ
木村護郎クリストフ(本会企画編集委員長・上智大学)
第一部 研究発表
14:10–14:50 研究発表 1
藍孟昱(創価大学大学院)
「ロマン・ポランスキーによるポーランド期短編作品における映画技法―アンジェイ・ワイダの抵抗三部作との比較分析」
司会:菅原祥(京都産業大学)
14:50–15:30 研究発表 2
豊島美波(カレル大学大学院)
「ヴァーツラフ・ハヴェルの戯曲における「書くこと/署名」のモチーフ」
司会:石川達夫(専修大学)
15:30–16:10 研究発表 3
ブルナ・ルカーシュ(実践女子大学)
「B・M・エリアーショヴァーと日本音楽界」
司会:阿部賢一(東京大学)
16:10–16:20 休憩
第二部 特別講演 ウクライナをより深く理解するために
16:20–17:10 講演 1
イーホル・ダツェンコ(中京大学)
「ウクライナ正教会およびウクライナ東方カトリック教会における典礼言語としてのウクライナ語」
司会:木村護郎クリストフ(上智大学)
17:10–18:00 講演 2
村田真一(上智大学)
「ウクライナの演劇――モダニズム時代を中心に」
司会:越野剛(慶應義塾大学)
18:00–18:10 閉会の挨拶
長與進(本会会長・早稲田大学名誉教授)
【発表概要】
藍孟昱(創価大学大学院)
「ロマン・ポランスキーによるポーランド期短編作品における映画技法―アンジェイ・ワイダの抵抗三部作との比較分析」
ロマン・ポランスキーの映画制作は、60年代の「第三のポーランド映画」Trzecie Kino Polskie を起点としながら、1950年代の「ポーランド派」Polska szkoła filmowa との関係性が認められる。本発表ではポランスキーがウッチ映画大学在学中に制作した 8 本の短編映画を扱い、ミザンセーヌ、カメラワーク、編集といった映画技法を分析し、アンジェイ・ワイダの「抵抗三部作」と呼ばれる『世代』(1955)、『地下水道』(1957)、『灰とダイアモンド』(1958) と比較する。その上で、ポランスキー作品と「ポーランド派」との類縁性について考察を行うことを目的とする。
豊島美波(カレル大学大学院)
「ヴァーツラフ・ハヴェルの戯曲における「書くこと/署名」のモチーフ」
ハヴェルの戯曲では、往々にして「書くこと/署名」を通した登場人物の実存証明という契機が、重要なモチーフになっている。それは、記号体系のコントロールによって築かれる社会の権力の中で、失われた自己同一性を求めてあがく個人の姿とみることができる。本発表では、「書くこと/署名」というモチーフと登場人物の主体性の問題との相互作用を分析するとともに、作家ハヴェルと彼の「書く」戯曲テクスト、そしてその読者との関係性を再考する。
ブルナ・ルカーシュ(実践女子大学)
「B・M・エリアーショヴァーと日本音楽界」
大正初期から昭和初期にかけて 3 年以上も日本で過ごした旅行家・作家のB・M・エリアーショヴァーにとって、音楽は子供のころから数少ない楽しみの一つであった。彼女の音楽の教養については知られていないが、日本滞在中は日本の伝統音楽にも親しみながら母国の音楽を積極的に紹介し、その印象をさまざまな文章で書きつづった。音楽学者田辺尚雄や音楽評論家兼常清佐、作曲家山田耕筰との交流もあった。本発表は、このようなエリアーショヴァーの、日本の音楽または日本の音楽界との接点を明らかにしていきたい。
イーホル・ダツェンコ(中京大学)
「ウクライナ正教会およびウクライナ東方カトリック教会における典礼言語としてのウクライナ語」
ウクライナのビザンティン典礼式の教会の歴史の全期間を通じて、典礼における主な役割は教会スラヴ語によって演じられた。教会スラヴ語の主要な地位は、正教会に属するスラヴの諸民族の間に超国家的性格とキュリロス・メトディオスの歴史的伝統だけでなく、カトリック教会におけるラテン語のような特別な神聖な性格によっても決定された。 16 世紀から 19 世紀にかけて, ウクライナ日常口語は説教と福音活動の中で確立され、20 世紀初頭以来、典礼で使用できる神聖な言語としての現代ウクライナ語の役割が再考されてきた。
村田真一(上智大学)
「ウクライナの演劇―モダニズム時代を中心に」
ウクライナの演劇における多言語多文化の視点、ロシア・ソ連の演劇人との協働などをとりあげて考察する。
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