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2018年度日本ロシア文学会賞 受賞のことば


澤田 和彦 氏
埼玉大学名誉教授



この度は思いも寄らずこのように立派な賞を頂戴し、大変恐縮しています。推薦してくださった方と、選考委員会の委員長と委員の皆様に心から御礼申し上げます。

私は大阪外国語大学の一年時に法橋和彦先生のロシア文学入門講義を聴講して、ロシア文学の世界に魅入られました。とりわけ〈余計者〉のテーマに興味を持ち、ゴンチャローフの『オブローモフ』について卒論を書きました。早稲田大学大学院でも木村彰一先生のご指導のもとにゴンチャローフ研究を続けました。

大学院時代に自分の関心が徐々に広がっていきました。まずは中村喜和先生、安井亮平先生、長縄光男先生らが当時立ち上げた「〈ロシアと日本〉研究会」に雑用係として参加し、ゴンチャローフの長崎来航について報告させてもらったこと。小人数ながら四方八方から鋭い質問の矢が飛んで来る、とても厳しい場でしたが、これが私にとって日露交流史研究の出発点となりました。その後30年間に書きためたものを『日露交流都市物語』にまとめました。「〈ロシアと日本〉研究会」はその後「来日ロシア人研究会」に生まれ変わりましたが、ここで私は来日した白系ロシア人について調べ始めました。研究のレベルではそれまで未発掘のテーマだっただけに、調べるほどに心躍るような思いを味わうことができました。その成果は『白系ロシア人と日本文化』にまとめました。また大学院時代に安井先生と柳富子先生の影響で二葉亭四迷や日露比較文学にも興味を抱きました。柳先生には書誌作業を徹底的に鍛えられました。さらに二葉亭との関連でポーランドの民族学者ブロニスワフ・ピウスツキについても今日まで研究を続けることとなりました。要するに、すべてはゴンチャローフから始まったのです。

1991年にドイツの古都バンベルクで最初の国際ゴンチャローフ会議が開催されました。日本からは大西郁夫氏と私が参加しました。私は「日本人の観たゴンチャローフ」というテーマで、作家の長崎来航について日本側の資料を用いて報告しました。翌年には作家の故郷ウリヤーノフスクで2回目の、ロシアでは最初の国際ゴンチャローフ会議が開かれました。この二度の会議の折に私はペテルブルグのロシア科学アカデミー・ロシア文学研究所(プーシキン館)のゴンチャローフ・グループのメンバーと親しくなりました。彼らは全20巻の『ゴンチャローフ全集』の刊行を準備していたところで、私に協力を求めてきました。私はそれに応じて全集の編集陣に加わり、第3巻の『フリゲート艦パルラダ号』の日本関係の二つの章と「琉球諸島」、「20年を経て」の章の注釈を担当しました。これはかなりの時間と労力を要しましたが、楽しい作業でもありました。北大スラブ研究センターに滞在中のゴンチャローフ・グループのキャップ・トゥニマーノフ氏、木下豊房先生と一緒に、家族も連れて行った長崎旅行は忘れられません。

2017年に私は図らずもゴンチャローフ記念国際文学賞を受賞しました。これはウリヤーノフスク州とロシア作家同盟主催のもとに2012年から毎年ウリヤーノフスク市で行なわれているもので、ロシアのベテラン作家、新進作家、ロシアと外国のゴンチャローフ研究者の3部門で賞が授与されます。私は外国人としては三人目の受賞者となりました。

今後はこれまでの研究を継続しつつ、日露交流史関係の新たな研究会を立ち上げて、幾分なりとも若手の研究者に還元できればと考えています。