三谷惠子新会長よりご挨拶

 

前会長報告とご挨拶 望月哲男

 
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2018年のロシア文学会(第68回大会報告をかねて) 会長 三谷惠子

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2018年のロシア文学会全国大会は、10月26日(金)のプレシンポジウムを皮切りに27日(土)、28日(日)と、名古屋外国語大学を会場として開催されました。

プレシポジウム『カタストロフィの想像力とロシア文化』では、作家の平野啓一郎さんによる記念講演、また亀山郁夫名古屋外国語大学学長ならびに本学会員の中澤敦夫氏、乗松亨平氏の3名によるシンポジウムが行われました。平日夕方の開催にもかかわらず150名ほどの聴衆が集まったのは、講師陣の豪華な顔ぶれのためばかりではなく、「カタストロフィ」という、さまざまな意味で今日的な問題がテーマであったということにもよるでしょう。

27日、28日の大会では、研究発表会、総会、また2018年大賞受賞者である埼玉大学教授澤田和彦氏による記念講演が行われました。研究発表会には、国際参加枠による台湾からの発表者3名を含む26件の個別発表、2件のパネル、加えて日本ロシア文学会とカザン連邦大学の研究者による合同国際シンポジウムがありました。秋晴れのすがすがしい名古屋外国語大学キャンパスで、多くの学会員が集いさまざまな議論を交わす機会になったと思います。会場校関係者、また今大会関係各委員会の皆様に感謝申し上げます。

この一年の学会の動きとしては、2017年秋からスタートした新執行部ならびに新理事会において、学会のさらなる活性化、またアクチュアルな問題に迅速に対応できる体制づくりを念頭に、いくつかの新たな試みが行われたことをご報告したいと思います。具体的には、倫理委員会に関する内規の改定、学会内外の諸企画に対する、学会の後援・協力・共催などといった関与の仕方の明文化、若手ワークショップ企画などがあります。学会誌の掲載論文についても、大平陽一編集委員長のご尽力により、J-STAGEに登録する道筋が確定し、今後実現される運びとなりました。「まずはグーグル検索」が当たり前になっている昨今、J-STAGEへの登録によって、学会誌掲載論文の引用数が向上するなどのメリットが見込まれます。

またこれらと並行して、事務局体制も、1名が2年担当するという従来の慣行を変え、2018/19年度より、2名で仕事を分担する方式を採用することが決まりました。これは、会員全体の中での専任教員の減少、事務局担当者の負担減などを考慮しての変更であり、すでに2年事務局を担当している野中進氏がさらに2年間この責務にあたり、加えて北海道大学の安達大輔氏にも新たに事務局に加わっていただくことになりました。

このように多くの会員のお力により活動を展開している中ではありますが、すべてが順調というわけではありません。本学会は、瑣末な日常を超えた次元で思索し、議論する研究者の集まりではありますが、とはいえ現実と無縁でいるわけにはいきません。長年学会を支えてくださった長期会員の方々、いわゆる40年会員の増加、加えて学生会員のみなさんへの会費減免措置、また一部会員の会費未納入などがあり、財政が年々厳しくなっているのが現実だという点もお伝えしなければなりません。執行部・理事会でも、削減できる部分は削減し、また会費未納入会員への督促など、可能な措置を真摯に考え実行していく所存です。また今後は寄付の制度なども整えて、学会収入の多元化を実現し、学会活動の充実化を図っていきたいと考えています。

会員各位のご協力をお願いいたします。

2018年10月吉日 日本ロシア文学会会長 三谷惠子
 

三谷惠子 新会長よりご挨拶「さらに前へ―ひるまず、けれどしなやかに」


日本ロシア文学会会員のみなさま、こんにちは。平成29年10月14日上智大学で開催された日本ロシア文学会総会で新たに会長に選出されました、三谷惠子です。長い伝統をもつ本学会の会長という思いもよらぬ大役を仰せつかり、その責任の重さをひしと感じています。

4年前に望月哲男前会長が会長に就任してから、日本ロシア文学会は、その前の沼野充義元会長の掲げた“開かれた学会、魅力ある学会”という路線を継承し、いっそう活気ある学会へと発展しました。全国大会は毎回盛況で、多様な研究発表と会員の活発な意見交換の場となり、とくに若手の方々の堂々とした発表ぶりは驚くばかりです。学会誌関係でも、大平陽一編集委員長の発案のもといくつかの改正が行われ、『ロシア語ロシア文学研究』はこれまで以上に学術雑誌として充実したものになりました。また、野中進現事務局長が国際交流委員長であったときに提案された全国発表大会での国際参加枠も、いまだ試行錯誤の段階であるとはいえ本学会大会の中に定着しつつあります。学会ホームページは古賀義顕広報委員長の取り組みのおかげで、つねにさまざまな情報が更新される状況になっています。このほかここに直接お名前をあげることのできない多くの会員の協力によって、学会の活動は今日に至っています。しかしそのいずれも、望月前会長のみごとな采配ぶりが背後になければ実現できなかったであろうことは間違いありません。
 

2017年のロシア文学会(前会長報告と挨拶) 望月哲男


おかげさまで2017年もロシア文学会は順調な活動をしてきたように思います。新しい取り組みとして、三谷惠子副会長の企画による学会主催第1回公開シンポジウム「ロシア文化、その魅力と鑑賞法」が7月8日に行われ、160名を超える聴衆を得て成功裏に終了しました。また中村唯史副会長を中心にしたロシア文学大事典WGが発足し、将来の世代のモデルとなるような事典の編纂に向けて、活発な活動を開始しています。もちろん平素の研究・教育活動や出版などにおける会員の皆様の活発なご活躍ぶりは、学会ホームページその他からもうかがえるところです。最近ではたとえば、会員の澤田和彦さんがゴンチャローフ記念国際文学賞を受賞されたこと、上智大学の村田真一さんがザポロージエの古典私立大学から栄誉教授の称号を得られたこと、野町素己さんが日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞をダブル受賞されたなど、皆で喜ぶべき朗報も続々と聞こえます。
 

枠を広げて:札幌での第66回大会を振り返って 学会長 望月哲男


このたび北海道大学で行われた日本ロシア文学会第66回大会(2016年10月22・23日)は、研究発表会の風景の刷新という意味で、記憶すべき催しとなりました。

一番の特徴は、昨年度から導入された国際参加枠での発表者の増加で、前回大会ではロシアからの1名だけだったこの枠での発表者が、今回ロシア、韓国、台湾から計8名と一挙に増えました。その他企画パネルへの参加者も含めると、国外からの大会参加者は総計11名に上りました。国内の会員による個別発表や企画パネルもきわめて多く、結果的に、個別発表総数48、企画パネル数4(ブロック数計23)という規模になりました。昨年度は個別発表総数29、企画パネル数2でしたので、7割ほど発表数が増えた計算になります。

 

2015年のロシア文学会(11月大会報告をかねて) 学会長 望月哲男


2015年には、われわれロシア文学会の活動に関連して、いくつかの記念すべき出来事がありました。

6月6日には、日本のスラヴ・ロシア言語文化研究の発展と制度化に多大な貢献をされ、1975年から81年までロシア文学会会長を務められた木村彰一先生の生誕100周年記念シンポジウムが、日本スラヴ学研究会とロシア文学会の共催で行われました。「師としての木村先生」「今に生きる木村先生」という二つの切り口から、研究者及び教師としての先生の姿勢と、そのお仕事の大きな意味について、熱気に満ちた意見交換がなされました。
 

> 2015年のロシア文学会(11月大会報告をかねて)

望月哲男(北海道大学)


2015年には、われわれロシア文学会の活動に関連して、いくつかの記念すべき出来事がありました。

6月6日には、日本のスラヴ・ロシア言語文化研究の発展と制度化に多大な貢献をされ、1975年から81年までロシア文学会会長を務められた木村彰一先生の生誕100周年記念シンポジウムが、日本スラヴ学研究会とロシア文学会の共催で行われました。「師としての木村先生」「今に生きる木村先生」という二つの切り口から、研究者及び教師としての先生の姿勢と、そのお仕事の大きな意味について、熱気に満ちた意見交換がなされました。

 

> 学会長からのご挨拶

望月哲男(北海道大学)


日本ロシア文学会は、ロシア語・ロシア文学をはじめ、ロシアの文化にかかわる様々な領域を専門とする者たちの組織です。日本におけるロシア文化研究の発展を中心目的としていますが、その活動は狭い意味での学問研究ばかりでなく、教育、翻訳・紹介、普及、交流など、多様な領域にわたっています。会員数は2013年12月現在476名。決して大きな学会とは言えませんが、二葉亭四迷や昇曙夢などの翻訳・紹介を通じてゴーゴリ、ツルゲーネフ、ドストエフスキー、トルストイらの作品が明治文壇に大きな影響を与えて以来、ロシア語・ロシア文化の受容や研究が脈々と現在まで続いていることを物語る、意味深い数字だと思います。

 

哀悼


日本ロシア文学会を代表して、このたびの東日本大震災の犠牲者の皆さまへの深い哀悼の意を謹んで表明させていただきます。私たちが自分の専門的能力や知識を生かしてできることは残念ながらわずかですが、それでも、私たちはひとりひとりが自分にできることを通じて、被災者の皆さまの支援と日本の復興のために尽していく覚悟を固めています。

また、ロシアの数多くの同僚や友人たちからだけでなく、ほとんど世界中の同僚の皆さまから寄せられた温かい激励の言葉に対して、厚くお礼を申し上げます。「私たちは皆あなたたちといっしょです」という単純な言葉がこれほど人間的に大事な意味を持つということを私たちは初めて知り、その連帯の気持ちに強く打たれています。


   2011年3月19日
   日本ロシア文学会会長 沼野充義

 

会長よりご挨拶

沼野充義(東京大学)


2009年10月、新会長に選ばれたとき、とっさに思ったのは、私のような若僧ではとても務まらないのでできることなら辞退したい、まだ「上がり」にはなっていないはずなので、もうちょっとの間、磨り減りかけた脳みそをふりしぼってでも現役の研究者・教師でいたい、ということでした。
 しかし、大学における人文系の学問が劣勢に追い込まれ、「国際化」という掛け声がますます喧しくなっていくのに、英語以外の外国語や外国文学全般を研究することの意義がかえって社会的に軽視されていくこの時代であるだけに、日本ロシア文学会のような「少数派」の――絶滅危惧種とは申しませんが――ディシプリンを頑固に守ろうとする学会の会長をお引き受けすることは、やりがいのある大事な仕事に違いない、と思い直した次第です。